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ヒューマンサイクルダイアリーズ

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京都府宇治市の自転車屋/GLITTER TUNEのブログです。

概念の変遷

僕が最初に乗ったスポーツ車はパナソニックのロードでした。フレームサイズが10㎜ずつ展開されている、『パナソニック オーダー システム=POS』というやつ。確か高二の頃に買ったんだっけかな・・・。

もっと凄いオーダーになるとシートステーの集合部の造作や、ラグ、フレームチューブの選択が可能で、当然寸法も細かい指示が出来る、いわゆるフルオーダーってのもありましたが、高二の少年には手が出ません。バッテリーは常にぎんぎんだったのですがねぇ、高二なだけに。笑






かつてのオーダーと言えば、発注者の体格・趣向を考慮して“寸法”のゆうずうをきかせて造ることをさしていました。もちろん若干の造作のわがままも聞いてはくれましたが、基本的には伝統的な三角形のフレームの形状を大幅に変えるなどということは一切無かったのです。

三角形のフレーム。今だとホリゾンタルフレームと言った方がいいですかね?そのフレームを効率良く造るためのジグが工房にはあって、図面とかおこさずにジグを直に調整してトップをナン㎜伸ばしてヘッドアングルを0.5°立ててフロントセンターはあまり今までと比べても伸びないようにして・・・フレームオーダーとは元々、そういうモノでした。



では今のオーダーとは?寸法を自在に造るのは当然として、デザイン面でも細かく注文を受ける場合が多いです。当然ホリゾンタルフレームを造るためのジグなんかでは造れるはずも無く、図面も毎度毎度描かなくてはならない。そしてときには、ジグすらも新規に造らないとならない場合も多々あります。そういった職人が造る段の作業性も考慮して、設計しなくてはなりません。

フジアロイの社長も結構安易に、『うちではフルオーダーで造りますから!』っと安請け合いしがちですが、それは前者であげた“寸法のゆうずう=フルオーダー”といった考えがあるのでしょう。でも今のお客さんはそう聞くと、『そうか!どんなカタチでもわがままきいてくれるんだ!』っと、後者の方のフルオーダーだと受取ります。



しかしです。コンペやレースで求められるルックス・機能をある程度知っている僕にとっては、『おいおい社長、あんまり簡単に考えないでよ。出来るだけ西海さん(←雲国斎先生ともいう。笑)の腕&工場に有る工作機械で造れるデザインにするつもりだが、多分社長が思っているより複雑怪奇な図面になると思いますよ・・・。』って感じなのです。打合せに同席している時はいつも。苦笑

つい最近納車した車両も社長が図面を見たときの第一声は、『ナンだコリャ?こんなじゃうちのジグで造れねーんじゃねーか?だいたいなんでこんな小さく造る必要があんだ?タイラくんよ。』・・・僕の予想通りの言葉でした。笑



僕、taylaが運営するGLITTER TUNEでは、フジアロイで生産をするフレームの企画・設計を随時受付けておりますが、まずは充分話をした上で依頼を受けるか否かを決定します。お客さんの希望は出来るだけ取り入れたいのはやまやまなのですが、コストや手配出来る材料の都合で出来ることと出来ないことがあります。

もちろん“カネにイトメをつけない”のであればごりごりの切削エンドや物凄くきれいなRを描いた曲げ加工、はたまたインターナルヘッドやMID BB等々・・・いくらカネをかけてもいい!っということならまったくもって可能です。『金で買えないモノはない!』この場合はこの言葉に一理ありです。笑

でもてんこ盛りオーダーを持ちかけてくる方の多くは、『まず見積りを下さい。15万くらいで出来ますかねぇ?』っと、こんな感じです。15万で出来るか出来ないか?いや、まず見積りなんてモノが出せません。やったこと無い作業や工作に前もって金額を出す・・・これは僕にとっては凄くナンセンスなことです。

最後にきてきびしい口調で持論を展開してしまいましたが、好きでやっている仕事とはいえ商売ですのでね。商売になるかならないか?結局最終的にはそこです。一点モノで終わる場合のプロダクトの際は、『ハードテール=10万円~』っという金額では無理ということです。



ちなみにこちら・・・今現在存在するモノは1本きりですが、10本まとめて造れば税別7万くらいで販売可能だと思います。ま、予約注文的に6~7本売れてくれない限りは造ることは無いと思いますがね。あ!もちろん、新規で企画した商品は業販でも展開致しますので。

それからもう一丁忘れてはいけないのが『使えるモノか?』ってこと。その検証は最低でも練習・実戦で6ヶ月はみてからですね。そういった地味な仕事を一緒に協力してやってくれる方には、僕は無い知恵しぼって頑張っちゃいます。僕の出来る限りで。笑
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by the-riddlebikes | 2008-12-23 23:10 | ヒューマンサイクルダイアリー