クランクアップ
以前にも言っていたと思いますし、仕事の遅い僕とフレーム製作をした人なら分かっていると思うのですが、僕が新規フレームを設計する時は常に、『ヤリ過ぎない。』ってコトをきつーく言い聞かせております。自分自身に。
ヤリ過ぎないってどーゆーコト?うーん、どー言えばいいものか・・・。
まー、ウケ狙いの過激なデザインとか寸法とかは、実はあまりヤッても意味が無いことが多いのと、なんかそーゆー部分でPRしたり実利が有るのか無いのか実証してもいないのに、『世界初の革新的デザイン!』なーんてことを、図々しく喧伝するのが個人的に嫌いというか。
・・・ヤリ過ぎないってのはそんな感じです。僕的に

どの段階から?
そう、製作の依頼に至った経緯を熱心に語って下さった発注者の方と初めてお会いした、マサにその瞬間から。
よーは・・・『話は充分理解しました。図面代しかもらうつもりが無いので基本的にお断りしようと思っていたのですが、負けました。一緒に協力して、どこにも無い、普通に良いモノを創りましょう!』・・・そー言って仕事をする約束をした、最初っから。
だからと言って、今まで造ってきた2つのモデル・・・特に2ndモデルは僕的にはそれなりの考えがあってあのようなデザインにしました。それをあっさりと刷新してまったく結びつきの無いモノにはしたくなかったし、そんな斬新と合理性が共存したカタチなんてモノは世の中そーは存在しませんし。

ここで競技としてトライアルに取り組んでいる方々に質問です。当時のフレームを語る上で一番のキーワードってナンだったと記憶しています?僕的には『しなり』という言葉ですねぇ。
もー、とにかくナンのフレームでもしなりしなりって・・・。
私には持論があります。『アイ ハブ ア ・・・』持論という英単語が思い浮かびません。笑
あ、持論ですよね。自論でもいいかもしれません。
アルミ合金という素材にしなりを求めるのはナンセンスです。考えてもみて下さい。鉄が主成分の合金やステンレス、あるいはチタン・・・これらは用途は様々ですが、いずれもバネとしての生を受けていろんなところで活躍していますが、アルミ合金はどうか?見たこと無いですよね?僕の不勉強かもしれませんが、アルミ合金という素材にバネ的な特性は期待出来ない。いや、ストレスや疲労に弱いアルミ合金に、そんな特性は備わっていないのです。
ではアルミ合金の良いところとは?ズバリ、比較的安価にそこそこの強度が備わったシロモノを造ることが可能。しかも曲げや切削性に付いても、クロモリ鋼などに比べると作業がしやすい。そう、軽さという要素がかなりの高順位で求められるトライアルという競技に、非常に合致したフレーム素材なのです。っと、力強く断定しておこう・・・。

2003年当時、既におフランスの新鋭ブランドなどは今の流れを予感させる、とにかく縦方向が小さいフレームワークをごりごりと押し出していて、でもエスパーニャの老舗は従来の形状を崩さない・・・。
僕の判断は、『あんな小さく造る必要は無い。それは老舗もそー思っているからそーしないのだろう。だけどやはり股下の短い子供が乗るには、1stではまだまだ大きい。前三角は股下クリアランス確保のために低く造り、後ろ三角はむやみに小さくすると非常に硬いモノになってしまうから、あまりヤリ過ぎないように・・・そう、どちらにしても後輪という絶対に外せないパーツが存在するのだから、それと同じ高さなら、支障は無いだろう。』っといったもの。
そんなような必要条件を決めて導き出したのが2ndモデルのデザインです。いや、もっとはっきり言うと、ツインショック時代のモーターサイクルのトライアル車をモチーフとして造ったのです・・・って、誰も気が付いてくれなかったったってコトから、僕の考えが浅かったんだろうなと。自爆気味で済みません。苦笑
まー2ndから今回の3rdへの僕なりの消化?昇華?に付いては画像から判断して・・・え?まったく関連性がみいだせない?あー力不足で済みません。苦笑
でも、結構描いては消して、消しては消して消して・・・ようやく描いて。苦労するんですよ。毎回。ナンとかその、関連性をみいだして頂きたく・・・。苦笑

トライアルではそんなに後輪のハブ位置を後方に引っ張ってセットアップすることは避ける傾向にあるのですが、僕の持論(←またまた持論登場)として、『メカニックであるお父さんが楽にセット出来ること。』っというのも凄く重要だと考えています。したがって、ハブ位置が12~3㎜後方にずれたとしてもキャリパー位置が最適な位置にセット出来るように、キャリパーの固定ボルトが通る2穴をルーズホール状にしておきました。
このルーズホールのやり方・・・色々とあるのですが、常にハブ軸を中心として回転するような感じの位置関係になる方法としました。なぜか?その方法がルーズホールを最も小さくおさめられるからです。弱点となる穴を出来るだけ小さくした方が良いのはもちろん、エンドデザイン的にも小さい方がかっこえーやんけ!ってコトです。
えーっと。言ってる意味がよく分かりませんね!ま、この辺はフレームの主要部分ではないので、そっと流して下さい。苦笑
こっちはドライブ側なので非常にあっさり。

エンド側が上下ステーがおさまるように切り欠きが施されているのでは無く、ステーの方に切り欠きを施工してしっかりと7~8㎜厚あるエンドプレートに刺さっている。それを溶接しているのです。エンド側が切り欠き入っているのか、それともステーの方か・・・丈夫に仕上がるのはどちらでしょう?この辺は皆さんで考えてみて下さい。
ちなみにトラックバイクなどで見かける老舗の自転車工房が造るフレームも、ほとんどがフジアロイと同じやり方で、ステーの方に切り欠きを入れています。どちらが・・・というのは無いですが、ヨーロッパから見習ったロードレーサーなどの伝統的な工法かな?・・・といった感じでしょうか?
そうそう、トライアルではディスク台座側は普通のMTBとは違う方向にも力がかかりますよね。簡単にいうと進行方向のみで制動させるだけではないから、通常とまったく真逆の方向へのストレスが・・・そしてそれに対する対策として『これでもか!』といわんばかりのブリッジ状?板状?の補強が入っているのが通例ですが、今回はそのことを知った上で施工しませんでした。
理由は?小学2~3年生の子供が乗るからです。そこまでの補強が要らないと判断しました。いや、正確には、無しの状態で試させて下さいといった理由が本当。
もしかしたら子供が使ってもトラブルが発生するかもしれませんが、その時は“超特急・ワークス体制”で対処します。
そのための未塗装だし、そーいった信頼関係を理解してもらえない限りは、フレーム製作を受付けしないんです。僕は。
ちっちゃい男ですみません。
やっつけ的にディスクキャリパーがくっ付いています。笑
なんか変というか・・・普通に160㎜ローターなのに、まるで203㎜ローター付いてるみたい・・・これには深い訳があるのですが、極めて身内の事情といいますか、あまり話すとお恥ずかしいので、ここでは割愛します。笑

予想通りにそー言われました。笑
自分でもそー思っていたからぐーのねも出ません。苦笑
ここはアップチャージ無しにしっかりと対策する約束を致しました。少し先になるでしょうが、施工後にはきっちりお知らせしたいと思っております。
最後に前から。

そして後から。

他人事のように印象を述べていますが、大手メイカー以外ではこんなモノを造ったところは無いんじゃないですか?
損得はとりあえずかたわらにおいておいて、真剣に取り組みましたよ。
イイモノなのか?使えるモノなのか?はたまたはしにもぼーにも引っかからないモノなのか?
それは今後乗っていって戦績で判断するしかないでしょう。でも、きっとイイモノに仕上がっているという自負はあります。自転車以外に特に興味が無い僕と、(あの程度の工作機械しかないのに!)日本でもトップクラスの工作技術を持っているフジアロイの職人。2008年の、リドルの最高傑作であることは間違い無いです。
世界中を探してもここまで真剣に造られた子供用のトライアルフレームは無いと思っています。異論はあるでしょうが、ここはひとつ、珍しくデカイコトを言っているようですが、そっとしてやっておいて下さい。笑
ジオメトリーはこちらをご覧下さい。
クランクも付いちゃあいないのに“クランクアップ”というタイトルにしたのは先日、『この曇天のせいでなかなか・・・。』・・・あ、しつこいですね。
では、作業に取り掛かるので消えます。
2008年12月某日・・・ようやくアフレコが完了致しました。笑


