THIS IS ENGLAND
当局事務所では日曜はまず来客は無いのですが、一件だけ組換え依頼の車体の持込みをうけたまわっていたので、早朝に一旦帰宅して風呂・身支度を済ませ、再度事務所へ。そして昼過ぎ、自転車を預かりつつ世間話をしつつ、午後3時には本日の予定終了。その後まったくやる気無し。笑
もうその日は、自転車をお預かりしたならその後はばっくれる気満々で、午後4時前にはシャッターがらがら。以前から観たかった映画を観に渋谷へ向かうのだが、『まだ誰か来るかなぁ・・・?』っと振り返ることも無く、西武線に飛び乗りました。誰かいらしていたならごめんなさいねぼるちゃん。笑
THIS IS ENGLAND
当時イギリスとアルゼンチン間で起こったフォークランド紛争は(日本の)ニュースでも連日流れていて、双方空母や大規模な戦艦まで繰り出してやりあうその様をみて、『これ紛争じゃなくて戦争じゃね?』っと、ちびっこながらそう感じていたものです。主人公の少年は、その頃の僕くらいか?
サッチャー政権下の英国は凄い閉塞感があったと聞いている。映画・四重人格の時に既にそうだが、とにかく若者が夢を持てる仕事なんて無い時代。(今もそうか?) だからそのはけ口?的に、フォークランド紛争とかやっていたのかなぁ。
初期パンクから派生した?スキンヘッズが横行している、80年代初頭の英国社会と労働者階級の若者と少年を描いた暗くて重い映画。
つるんでるやつらとかその友達のやつらとかと、本当は仲良くやりたいのに、不遇な自分の人生を誰かの、何かのせいにしていないと、自分の存在を感じていられないようなばきばきのスキンズの青年。
でも理不尽極まりない理論を展開するネオナチ気味のスキンズ青年の強い言葉に、パパを戦争で奪われた少年は、自分の心を行動で表してくれる兄貴と見立て、次第に行動を共にしていく。極右の政治集会に参加したり、パキスタン出身者が経営する商店へ汚い言葉で罵りながら強盗へ押し入ったり。
英国もかつては世界の海を制した帝国だったがそれは遠い昔。今も先進国ではあるが、かつての栄光は今は無い。言い換えれば、既に老人の国家。 ま、国は人みたいに死なないので英国がなくなる訳ではないが、ゆりかごに揺られながら、若く生気にあふれていた過去を懐かしがりながら生きているような国。
そんな『伸びしろ』のない国。未来を感じられる仕事も夢もない国。どこかの国も、ゆっくりとだが、いずれはそのような時がおとずれるのかもしれないですねぇ。
イギリスでは2006年に公開されたのかな?撮ったのはもう少し先だろうから、数年を経てようやく日本でも公開です。
制作費数10億円を宣伝文句にするハリウッドモノもそれはそれで面白いのですが、ヒーローいない、セレブ女優率0%、歯並びなんか当然良くない、暗く救いようのないストーリーと寒々とした青めの映像・・・そんな映画に、僕はリアルを感じます。
渋谷駅から歩いて5分以内の映画館でやってます。お時間ある方は、是非に。