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ヒューマンサイクルダイアリーズ

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京都府宇治市の自転車屋/GLITTER TUNEのブログです。

『ふみ出す足は必然だ』

『うはの空の事ではない・・・』
僕の大好きな“牛”という題名の詩の一節です。

作者は高村光太郎。道程や千恵子抄で有名な、彫刻家でそして詩人。
彼の作品を全部全部読んでる訳じゃないけど、僕は彼の詩が大好きです。
きっと現代に生きていたら、ギターをかき鳴らしてその詩を歌っている人だったかもしれないと想っています。





『人生は出会いと別れと決断の連続です。』
これまた僕の大好きな音楽家が、彼の携帯ダイアリーの終了にあたって書いた言葉。
でも全然しめっぽくない。もちろん、少しのセンチメンタルはあるけど、とてもさわやかな、次の場所へ発展する為の飄々とした決断。僕にはそう感じたかな。



思えば僕が、その“ひととなり”を気に入って無理やり自転車を預けた少年たちは、ことごとく僕にその“決断”をポンと差し出して、次のところへ行ってしまったなぁ。
ショートトラック競技に限らず、他の競技でも。

先日の緑山の定期戦のときにも、タカにこう言われたっけ。
『タイラさん。自転車はオレ、引退だから!今後は曲作りが忙しいからね!』って。
凄くほがらかにさわやかに、わざわざ僕を見つけ出して、そうきっちりと挨拶してくれたのだ。

でも全然嫌な気分じゃなかった。
『オレ、もっとやってみたいことが見付かったからそれに集中するよ。だからごめんなさいね。今までありがとう!』
きっとそういうことなんだと思った。
ま、僕の勝手なストーリーだが。



どんなに分別のある大人だろうが、若輩極まりない少年だろうが、自分自身で決断したことには、僕は敬意をはらいたい。

たとえ他人からの強い誘いとかが大きく作用していたとしても、自分で確かめないと分らないことばかり。だから新しい場所で目一杯やって欲しいし、目一杯打ちのめされて欲しいし、ちゃんと苦労が報われて欲しい。

でもねぇ、ほんとはお前のお母さん同様、僕はとても残念なんですよ。
確かに一緒に始めた友達がどんどん先へ行っちゃって、いつの間にか見えなくなっちゃって・・・とても耐えられたもんじゃないと思う。
でもでも、僕はお前はまだまだ行けると思ってた。いや、今でも思っているよ。



『牛は馬鹿に大まかで、かなり不器用だ
思ひ立ってもやるまでが大変だ
やりはじめてもきびきびとは行かない
けれども牛は馬鹿に敏感だ
三里さきのけだものの声をききわける
最善最美を直覚する
未来を明らかに予感する・・・』

“牛”の一節です。
文庫本で売ってるから、是非読んでみて欲しい。僕が言いたいこと全てがつまっているから。



では、桑名で会いましょう!
ラストラン、楽しく走れば、きっといい結果で終われると思うよ。
だって、その才能があるんだからさ!

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by the-riddlebikes | 2007-11-28 23:07

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