一応有資格者
試験会場は静岡市清水区に在る、日本軽金属(株)グループ技術センター。取り仕切るのは、(社)軽金属溶接構造協会。
ま、一応それなりに大きな企業や組織が実施・認定しているものなので、なにも後ろだてのない自営業者にはハクがつくかな?ってことで、工場の経費で取らせてくれるうちは取っておこうかなと。
試験そのものは1日に金曜日のみなのですが、当然こういった試験は朝イチからスタート。
日軽金の技術センターへの集合は午前八時半だから・・・朝から東京出てるようじゃ、絶対に無理!
だから仕事の打合せや、面倒なフレーム改造や、全然トーチなんか触っていないので一応練習やら、体調良くない社長への新年の挨拶やらで、前日の木曜の午前九時に御殿場入り。
実は社長、昨年秋ごろにガンが見付かり、その時点で既に4箇所に転移していたらしく、一気に4箇所を切除。今は薬飲みながら安静に過ごしているそうだが・・・この日は僕が行くってのもあったり見積もりがあったりで、半日ほど出ていたらしい。
あんなにウザいほど元気だった人が、やはりやつれて小さくなっていましたね。
木曜は仕事というより今後の自分企画&自分が依頼されている自転車関連の件で、西海さんという工場の責任者との打合せがメイン。
図面を見てもらって製作についての予習とか、不都合な部分はないかとか、材料費や加工費が今いくらくらいだとかを、雑談6~7割くらいで話し合う。
で、就業時間終了の午後5時半から、明日に備え練習するのですが・・・。
もう、そわそわしながら練習して道具やら車に積んで準備して・・・ばたばたでした。
御殿場いく前にその西海さんに天気を聞いていたのだが、『ああ、日曜がヤバいから。それまでは平気だろう!おれなんかシャコタンでスリックタイヤだから!』って言っていたものでねぇ。すっかりそれを信用。だまされた。笑
今回はスタッドレスに換える時間が全然なかったので、いつものイラン人仕込みのペラペラ扁平タイヤ。
雪は御殿場市街地まで下りれば溶けているのは分かっていたので、どうにかこうにか、後続の渋滞お構いなしでLギアで下山。寿命が100日縮みましたね!
そうそう。この日は御殿場在住のHくんと、『ファミレスでビールくらいいっときますか?』ってことだったのですが、午後10時をまわっても電話鳴らず。
ブックオフで真面目に立ち読みしていたのだが、そろそろ軽く呑みたくなってきたのと明日は午前5時くらいには起きておきたいので、その日の宿のオアシス御殿場へ、とぼとぼと向かいましたとさ。
金曜は朝6時半にミキティ(三木さん)のアパートに集合。ほんとは工場集合だったが、危なくて行けません!ってことで。
まじ道路かっちかち。ぞっくぞくしながらの運転でした。
工場は市街地より更に富士山方面へ上ったところ。危うきに近寄らずです。鉄則。
で、試験。
ま、僕が受けるのは薄板(3㎜)の下向きっていう基本のやつなので、本来ならぶっつけくらいでいかないといけないのですが、今は全然やってないのでね、ご容赦下さい。
試験会場では写真禁止だったので、練習のヤツだけです。ま、たぶん合格しています。
昼食済ませ、午後イチに工場帰還。サンダー杉山氏の雪かきのおかげもあり、雪は溶けていた。一安心。
で、この古く懐かしいフォーク。やりたくないなぁ。
とりあえずフォークは出来た。
あとは本溶接して、熱いうちに治具にもどして冷えるまで放置。
そして後ろもやっつけた。
だって作業したのオレだから。
しかし・・・強度的にはいっさい責任もちませんよ。工場からも僕からも、丁重におことわりしたんですから。
あとはお約束の自己責任。ノークレーム・ノーリターン。
フジアロイでは時々一般の方からもこういった依頼がくるのですが、基本的に一般の方からの改造作業は、今までもそうでしたが、今後は全部僕の事務所のGLITTER TUNEへふってもらうことで話をしてきました。これは僕の意思というより、工場の西海さんの要望です。
理由を挙げますと。
①一般の方とのやりとりに、物凄い時間がかかってしまう。工場は8:30~17:30が勤務時間ですが、その間に連絡を取ろうにも連絡がつかない。
②メールでやり取りというのは、工場では非常に不都合。会ったことのない、お互いに理解度も違う者がメールだけで意思の疎通を図るのは時間がかかり過ぎる。また、散々時間をかけた後に価格面で、『やはりやめます。』ということも多々。
③工場は自転車店ではない。今回も、ほぼ完成車状態で、しかも新品と思われるXTのブレーキが、オイルを通した状態で送られてきた。工場で必要なのはフォークとスイングアームと前後キャリパーと前後車輪。傷でも付いたら、工場持ちですか?
④溶接は万能ではない。今回のフレームも、ディスクを装備するなどの概念が全く無い時代の品物。大変危険でリスクの高い改造だと考えております。折れたり割れたりしないまでも、Vブレーキのときに発生しなかった“たわみ”も出るかもしれません。またフジアロイには熱処理工程はありません。米国で一般的に使用される6000系の材料は熱処理ありきの合金です。7000系、7N01とは、性質が異なります。
堅苦しいようですが、工場で修理するのは基本的に自社生産の製品を対象としています。『それでも・・・。』という場合は、あくまでも自己の責任においてです。
今後、そのことを書面で確約頂いてからになるかと存じます。どうかご容赦下さい。