貧すれば鈍する
皆さんそれぞれ見解が違うしどれもこれもマチマチなアドバイスなのですが、でもやはり、そんな“人の心”に触れる時はとてもありがたく思うし、なぜだか申し訳ない気持ちになったりもするのです。
体験談、アドバイス、ねぎらいの言葉とうとう、ほんとにありがとうございます。
“その後”を報告していなかったので、この場を利用してお知らせしたいと思います。
不適切だったら、削除します・・・って、そんな冗談は要りません。苦笑
肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)なる災難に見舞われたのは昨年のお盆頃。違和感を感じ始めた期間も入れると、多分梅雨時期からだったと思います。
あ、僕のことじゃないですからね。
仕事柄盆暮れズバリの時期には休めないので半月くらいずらして休暇を取るのだが、当初は1週間ほど安静にすれば・・・などと安易に考えていたのですが、1週間たってもいっこうに改善の兆し無し。
でもま、そうはいっても休みが明けたら仕事に行かなくちゃってことで、9月のとある土曜日に休暇を終えて仕事再開したが、帰ってくるなりどんよりとしていて・・・『もう無理。客は遠慮無く予約入れてきやがるし。腹立つ・・・。』といった具合。かける言葉がありません。
翌日なんとか仕事へ行くも、その日曜日で完全に白旗。そこから3ヶ月強の療養休暇に入った訳です。
9月上旬から12月中頃までの3ヶ月です。
皆様ご存知の通り、僕は“髪結いの亭主”です。
僕の収入より、くだんの人物の方が確実に多いのです。でも僕はなんとも思いません。もともとそういうことを前提に結婚しているので。
『なんとも思わない。』と言うとやる気が無い様に思われるので言い直します。
自転車売って、自転車造って、自転車の楽しみをまだ知らない人たちに伝えて・・・で、人並みの収入が得られるレベルまで行きたいなと。出来れば若いヤツ等雇って、しっかりした会社組織にしたいなと。
いまだに真剣にそう想っています。
しかしやる気だけではどうにもならないんですねぇ。色々と。
‘07の春にあなぐらみたいな物件借りてどうにかこうにかやりくりしている矢先の“ちゅーぶかん”ですからねぇ。
休んでる間もオーナーの温情でいくらかは出てましたが、やはりその目減りはいかんともしがたい。仕入に使うタマもナニも、どんどん生活費へ回って行くんですねぇ。
リアルです。まじで。
でも無理して復帰して本当にひじがダメになっても、誰も補償してくれない。自分の体は自分で守るしかないんですよねぇ。
生活する為の仕事なのに、自分の大事な、命とも言える体を壊しては本末転倒。
『負けるときは負ければいい。一度退却して、立て直して、再度土俵に上がりましょう。』
そう言って、治るまで休むこととしたのでした。
不思議なもので、そんな“どんより”な時期に“例のMTB”の話しが舞い込んだんですね。川口のナントカ商会の元上司から。
最初は僕が手を挙げようなんてこれっぽっちも考えてなくて、まったく他人事的にメールを返したのですが、『お前の条件をのむらしいぞ。金借りてでもやれ。ちゃんと知識のあるヤツがやれば商売になるから。どうしても売れなければうちにセールスに来い。買ってやるから。』って説得され、アレを引き受けて今に至る訳です。
金をあちこちから先物取引的に引っ張って現金用意して、話しの出どころの問屋さんと連絡取り合ってってやって行くと・・・これまた不思議なことに、そのナントカ商会でパシリで空港に出迎えに行ったりしてるときにお会いした、僕も知っている、通称ふるちゃんがいっちょ絡んでいるいるとのこと。
ふるちゃん。
とある輸入商社の、多分偉い人。でも僕みたいなペイペイのガキにもねぎらいの言葉を忘れない、凄く温厚な人物と記憶している。向こうは僕のことなんか憶えていないと思うけど、僕は憶えている。
そんな人柄だから、違う会社の人からの『たすけて下さい。』ってな頼みにくい案件も集まってくるんだろうな。そしてそれがちゃんとギブ&テイクになって戻ってくるんだろうな。
10年経ってまた、“ふるちゃん”がらみの案件に手を付けるなんて・・・なにか不思議な印象を受けました。
余談になりましたがもういっちょ余談。
今月20日発売のとある自転車雑誌に、片倉シルクブランドを復活させ、自らも再度フレーム職人に回帰したアライさんのことが特集されていました。
この方とも川口に移り住んですぐの頃、その元上司に連れられて何度か会食の席に同席させてもらいました。
知っている方もおられると思うのですが、アライさんはその当時、ある巨大メイカーの取締役でした。でもこの人も、僕のような小汚いジーンズ姿のガキンコにたくさんの仕事の話、自転車の話しを、バカにせずに話してくれました。
話を“ちゅーぶかん”に戻しましょう。
結論から言うと、いったん手術は回避しました。
12月中頃から平日限定、1日の客数5~6人とし、土日は休み。そのペースで行くと痛みが出ないのです。
で、2月からは以前の金曜(隔週で木金休み)に戻して、今現在問題ありません。ただ客数は、多分1日5~6人を限度としているでしょうが・・・。
そのペースを守れば重大な健康被害は現れない訳で・・・でもそうなってくると今度は少なくなった収入を回復すべく客数を増やす・・・と本人は言い出す訳でして。
『いや、それはしなくていい。僕の分で充分だから。』と言いたいのだが、そんな現実味の無い話は当然出来るわけも無いんですね。
そんなこんななここ半年以上の“どよーん”とした状況故に・・・造る予定のモノが資金不足で先延ばしになったり、とにかく販売優先になってしまったり、負担となる貸し出しは今後やらないと言ってみたり・・・全然まとまり無い内容ですが、僕のたまっているものを吐露しておこうかなと。
ブログはちょっとしばらく、コマーシャル的な入荷案内や製品案内にかたよると思います。とにかく実弾用意して早くあれこれ停滞しているモノを進めるため。
貸し出しに付いては・・・やはり僕には韓信(かんしん)にはなれないなと。
どう考えても僕にメリットが見出せない。なんの効果があるのか、見つけ出せない。
例に出した“ふるちゃん”と“アライさん”の人柄のような、おおらかな気持ちになれない・・・。
近々メールで問合せしてみようと思います。あれをどの様に活用し運用したいのか。
ちゃんとした考えがあるなら、僕はやぶさかではないのです。そんなにセコくは無いつもりです。
ただ悲しいかな、いわゆる遊びと余裕が無いのです。いろんな意味で。
今週末も何社からか品物入荷してセットして納品して・・・こつこつやるとします。
ずっと以前、誰かに言われた、『商売において起死回生の一発なんか無い。真面目に積み重ねるしか無いんだぞ。』って言葉。
ボディブローのように効いてますよ、今。